何故人間は痔になるのか

「人間以外の動物は痔にならない」そんなお話を聞かれた事のある方もいるのではないでしょうか。
今回は人間が痔になる原因を肛門の構造と進化の面から説明いたします。

肛門の構造からみた痔の原因

痔は肛門の構造がまねく病気といえます。痔核を例にとって説明しましょう。
肛門は周囲にある筋肉と粘膜だけではきちんと閉じる事ができず、約1mm程の隙間ができてしまいます。
その隙間をふさぐ為に、肛門の粘膜の下には動脈や静脈の細い血管が草むらのように集まった
動静脈叢や結合組織がつくるクッションがあり、30歳を過ぎると断裂するようになります。

そして、排便する時にいきむと、動静脈叢の血管に約200mmHgもの圧力がかかり
断裂した結合組織の隙間から動静脈叢が肛門内に出てきます、これが痔核です。
排便のときに強くいきむ人に痔核の方が多いようです。
何故人間の肛門がこのような構造をもつようになったのでしょうか。

人間の進化からみた痔の原因

人間の祖先である猿は、四本の足で歩いていたので体に掛かる加重は体全体へと掛かっていましたが、
人間へと進化し立ち上がり、四足歩行から二足歩行へと変わる事で背筋が縦へまっすぐ伸びたことで
肛門の周囲に大きな加重がかかるようになりました。
また、現代人の体の構造は200万〜300万年前の人類と基本的には変わっていないと考えられています。
そのころの人類は草原で狩りを行い食料を得て、40歳以上まで生きることは稀でした。
したがって肛門の構造も、40年以上使えるようにはできていなかったと考えられます。
また、排便の際も野生の動物と同じように自然の中で自由に行う事ができたので現代人のように
トイレが見つかるまで我慢をしたりといった肛門に負担をかける事は少なかったはずです。

現代人は生活環境の改善や医療の発達により日本人の平均寿命では女性が87歳、
男性は80歳と言われる長寿社会になりました。
そのため、40年以上使えるように出来ていなかった肛門は耐用年数をはるかに超えて酷使され
また老化現象によってクッションの結合識が壊れ痔核ができるのです。

まとめ

人間は4本足から立って2本足で歩く事で思いの頭を支えるようになり、
両手を自由に使って高度な文明を発展させてきました。
しかし、そのおかげで肛門周辺がうっ血しやすくなり痔という病気を抱えるようになりました。

投稿日:2017/11/30